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■ Appendix 1 ■ 数式フォント mathabx の利用について :
Anthony Phan 氏 ( Université de Poitiers ; フランス ) 作の新しい数式フォントの mathabx を利用 するためのパッケージです。 同氏により 2002 年の 4 月 30 日に公開されており、 その後改良が続けられています。
このページでも同年の 5 月に新しい数式フォントの mathabx を、ZIP 形式でアーカイブにした mathabx.zip として準備した事をお知らせ致しましたところ、いくつかの貴重なご意見を いただきました。
2003 年の夏休みに入ってから、Anthony Phan 氏とのメールのやり取りの中において、 バグの修正とともに多くの改良がなされました :
さらに、今回では新しく mathc フォントが入りまして数学記号への修正とともに オプション指定 により matha, mathb, mathc, mathx からの利用選択が可能になっています。 例えば、
- マクロファイル mathabx.dcl, mathabx.sty 等でのコードの全面的な書き換えにより、いくつかのバグ修正が なされました。 ひとつの具体例として、以前に問題のあった a の 3 乗根 \sqrt[3]{a} が正しく表示されるようになっています。
- サンプル TeX 文書 mathtest.tex への加筆、およびページ数が跳ぶことが修正されました。
- METAFONT ファイル mathu10.mf, mathudrv.mf 等の改良により、TeXtrace を利用した Type1 形式の mathu10.pfb の作成が 可能になりました。
\usepackage[matha,mathx]{mathabx}と記述すれば matha および mathx のみの利用が可能となります。
この 最新の正式版 (2005/05/18) を ZIP 形式のアーカイブにて準備いたしました。 なお、 この最新版は久し振りに CTAN に UP されました。
また、TeXtrace を使って作成した mathabx の Type1 形式の abxtype1.zip も公開いたします。 これにより、Type1 での埋め込みによる 綺麗な PS および PDF ファイルの作成が可能になりました。
なお、最新の Vine Linux 3.1 用の Vine Plus には 旧版 mathabx-2003-0vl3.noarch.rpm として、このページで以前に公開しましたパッケージが同梱されています。
Date: 2002/05/04
Update: 2005/05/18
★ 今回、mathabx の Type1 形式 abxtype1.zip が CTAN へと upload されました。 Thanks for Barabara Beeton (AMS), Norbert Preining (TeX Live) and Atsuhito Kohda (Tokushima Univ.) .
Date: 2011/01/11
第 (1) 項 パッケージの mathabx.zip について
第 (2) 項 インストール方法
第 (3) 項 Type1 形式の abxtype1.zip について
第 (4) 項 数式フォント mathabx の活用方法
第 (5) 項 付属の TeX 文書 mathtest.tex について
第 (6) 項 数学記号のコマンドについて
▲ To Contents
(1)
パッケージの mathabx.zip について :
新しい数式フォントの mathabx が簡単に
利用できるようなパッケージの
mathabx.zip
(168,780 bytes; 2005/05/18)
を公開いたします。 オリジナルに忠実な配布形式を採用いたしましたので、
インストール方法を記述したファイル等は敢えて同梱致してありません。 詳細は、
以下のインストール方法を参考にしてください。
mathabx.zip および abxtype1.zip に同梱の各ファイルのコードは UNIX ですので、 Windows でも Linux でも利用可能です。
★ パッケージ mathabx.zip および Type1 形式の abxtype1.zip は、 Windows 98SE/2000SP4/XP SP2および Vine Linux 2.6 ( GNOME 環境; Kernel 2.4.19 ) にて動作確認をしております。
(2)
インストール方法 :
【 準 備 : インストール前に 】
以前のバージョンのパッケージを利用されてみえる方は、
次の順序にて必ず以前の版の削除を行なってください :
以下では、Windows においての具体的な説明を行ないます。 ( Linux においても
同様です。)
(削除 1)
旧版用サンプル TeX 文書
mathtest.tex
を削除する。
(削除 2)
旧版用に作成された
tfm files
の削除をする。
この作業は重要です。
matha*.tfm, mathb*.tfm, mathu*.tfm, mathux*.tfm, mathx*.tfm
等の tfm files です。
私の場合には、
C:\usr\local\share\texmf\fonts\tfm\public\mathabx 内です。
(削除 3)
旧版用の
MF files
の 53 個の削除をする。
私の場合には、
C:\usr\local\share\texmf\fonts\source\public\mathabx 内にありました。
(削除 4)
旧版用の
macro files
の 4 個の削除をする。
私の場合には、
C:\usr\local\share\texmf\tex\latex\mathabx 内にありました。
(削除 5)
旧版用の
pk files
の削除をする。
この作業も重要です。
matha*.pk, mathb*.pk, mathu*.pk, mathux*.pk, mathx*.pk
等の pk files です。
私の場合には、
C:\usr\local\share\texmf\fonts\pk\bjtenex 内と、
C:\usr\local\share\texmf\fonts\pk\canonex 内、および
C:\usr\local\share\texmf\fonts\pk\ljfour 内にありました。
(削除 6)
次は、
Type1 形式
が利用できるような旧版用の abxtype1.zip を利用されてみえた方のみです。
旧版用の
pfb files
の 23 個の削除をする。 さらに、
旧版用の
mathabx.map
を削除する。
私の場合には、それぞれ
C:\usr\local\share\texmf\fonts\type1\mathabx 内と、
C:\usr\local\share\texmf\dvips\config 内にありました。
★ インストールの説明
mathabx.zip | 内 容 説 明 |
\mathabx | mathtest.tex ( サンプル TeX 文書 ) |
\mathabx\source | MF files ( 54 個 ) |
\mathabx\texinputs | mathabx.sty などの macro files ( 4 個 ) |
【 Windows において 】
【 Linux において 】
【 重要な注意事項 】
(3)
Type1 形式の abxtype1.zip について :
新しい数式フォントの mathabx の Type1 形式が
簡単に利用できるような
abxtype1.zip
(1,910,891 bytes; 2005/05/18)
を公開いたします。 Type1 の利用を考えてみえる方には必要となります。 次は、
同梱ファイルの説明です :
abxtype1.zip | 内 容 説 明 |
\abxtype1\pfb | PFB files ( 25 個 ) |
\abxtype1\map | mathabx.map ファイル ( 1 個 ) |
【 Windows 旧版 W32TeX において 】
【 Windows 最新版 W32TeX において 】
【 Linux において 】
(4)
数式フォント mathabx の活用方法 :
TeX 文書の最初の部分において
\usepackage{mathabx}と記述すれば、 普通の数式モードにて matha, mathb および mathx を利用する mathabx の利用が可能になります。
さらに、今回から オプション指定 により matha, mathb, mathx からの利用選択が可能になっています。 つまり
\usepackage[matha,mathx]{mathabx}と記述すれば matha および mathx のみの利用が可能となります。
ここで TeX 文書 sample.tex に対して、次のようにコマンド・ラインから入力 すれば ps および pdf ファイルの作成も可能です :
dvi ファイルの作成 : platex sample.tex ps ファイルの作成 においては、次のような 2 通りの方法が考えられます。 Type 1 での埋め込み: dvipsk -D600 -P dl sample.dvi (Windows 版) Type 1 での埋め込み: dvips -D600 -P pdf sample.dvi (Linux 版) Type 3 での埋め込み: dvipsk sample.dvi (Windows 版) Type 3 での埋め込み: dvips sample.dvi (Linux 版) pdf ファイルの作成 においては、次のような 3 通りの方法が考えられます。 Type 1 での埋め込み: dvipdfmx sample.dvi (Windows 版) Type 1 での埋め込み: dvipdfm sample.dvi (Linux 版) Type 3 での埋め込み: ps2pdf sample.ps sample.pdf (Linux 版)
なお、Type 1 での埋め込みがなされた ps ファイルは ps2pdf
(Linux 版)
により Type 1 の埋め込みが可能です。
作成された
PS ファイル
の sample.ps は
GSview 4.5 (Linux 版もあり) または
gv (Linux 版のみ) にて表示いたします。
また、
PDF ファイル
の sample.pdf は
Adobe Acrobat Reader 6.02J (Linux 版もあり) 、
GSview 4.7 (Linux 版もあり) または
gv (Linux 版のみ) にて表示いたします。
(5)
付属の TeX 文書 mathtest.tex について :
このサンプル TeX 文書である mathtest.tex は、
コマンド・ラインにおいて
tex mathtest.texなる入力にてコンパイルいたします。
18 ページ目より : matha フォントの出力例【 注 意 】
19 ページ目より : mathb フォントの出力例
20 ページ目より : mathx フォントの出力例
22 ページ目より : mathc フォントの出力例
26 ページ目より : mathu, mathux フォントの出力例
27 ページ目より : mathastrotest (天文学の記号) フォントの出力例
(6)
数学記号のコマンドについて :
今回公開された mathabx
は CM + AMS の拡張である
と考えられています。 全体的に色々な工夫が見られます。 例え
ば、積分記号
\int
が CM より垂直に見えますし、不等号
≦
は AMS のものより
<
と
=
がくっついていますので、日本人が見慣れているものにより
近いような感じがいたします。
dvipdfm mathtest.dviにより、 PDF ファイルの mathtest.pdf を作成してみました。
休憩時間にでも PDF 文書の mathtest.pdf (729,182 bytes; 2005/05/18) をお読みになって見てください。
ご覧になると、 matha10, matha5, matha7, mathb10, mathc10, mathu10, mathux10, mathx10, mathastrotest10 のそれぞれが Type 1 で埋め込まれている ので、綺麗な PDF 文書に仕上がっているのが確認できることと思います。
Mathabx △ | ▲ Contents |
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